4月の坐禅会は
4月11日7時から
※申し込み不要。できればメールで声をかけてください。
※当日キャンセルも可能。気楽にどうぞ
ベビーマッサージ養福寺教室は
4月10日です。
※詳細は「mommying 原田」と検索ください。
有名な言葉「天上天下唯我独尊」。
産まれてすぐにお釈迦様が7歩の歩みの後、宣言したと伝わっている。
しかし、多くのお経の中で最も古いとされている仏典には、お釈迦様の誕生を祝ってはいるものの「天上天下唯我独尊」のお話は全く出てこない。
原始の仏典では、お釈迦様はあくまでも人間で、人間味あふれる説法が続いている。
また、曹洞宗宗務庁で発行している仏教概論でも「常識では考えられないが、この伝承は大きな意味を持っている。」という形で掲載されていた。
昔はお寺が学校であり病院であり、老人ホームのような身近な存在だった。
そして、その身近なお寺の中で、日本の僧侶はこのようにお釈迦様の誕生を説いてきた。
「この天上天下唯我独尊。字だけで見ると、この世界で一番偉いのは私だ!と宣言しているように理解してしまう。
でも、それは間違いだ。この世界で“私”はたった一人。だからこそ尊いのだ。同じように自分も他人も、目の前の草花も虫も鳥、獣(けもの)だってこの世でたった一つの大切な存在。
自分が尊いのと同じように、全てのものが尊い。
だから、自分だけでなく他の“いのち”も大切にしていかなければならない・・・。」
このような精神を拡げる事こそが、天上天下唯我独尊の伝承が担ってきた大きな役割だと思う。
この精神を皆が持つことで、助け合いの精神が生まれる。そして、その精神から教育・医療・文化が発達する。
極論ですが、イスラム国を見てほしい。
彼らは“善”としてあのような事をしている。
世の中の“善”“悪”というのは、実はその“善”“悪”を共有する者同士の中でしか通用しない。
日本の仏教は、日本人の善悪・美徳感を理屈抜きで作り上げてきた。
武道・茶道・絵画などの文化に至るまで、仏教から少なからず影響を受けている。
私が、僧侶として日本仏教を大切にする理由の一つは、日本人が受け継いできた精神を、まず自分が体得したいから。
その精神は、自分や回りの幸せに通じると信じているから。
仏教の不思議な伝承は、実は大きな意味があり、日本の風土に溶け合って無意識に日本人の気質を作り上げてきた。
最近、日本の今後を憂う人が、とても多い印象を持つ。
そして、その方々は口々に「現代人のこころの劣化」に警鐘を鳴らしている。
私も仏教に関わった人間として、特に仏教の説く「こころとは?生き方とは?」をもっと伝えていきたい・・・と思っている。